しびれ、と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?なれない正座をした後のジーンとくる足のしびれ?肘をぶつけてしまったときの電気が走るようなしびれ?私たちは日常生活のいろいろな場面でしびれを感じるものです。では、しびれを感じるとき、体の中でなにが起きているのか、あなたはご存じでしょうか?
しびれを伝えているもの、それはズバリ「末梢神経」です。図のように神経は全身に張りめぐらされたネットワークで、視覚、聴覚、触覚といった感覚をつかさどり、体が正常に機能するための情報を伝達するなどの大切な役割をもっています。このネットワークのうちで、脳や脊髄を中枢神経、それ以外の体中に広がる部分を末梢神経といいます。
しびれ、それは末梢神経が異常を知らせるサイン。無理な姿勢を続けるなどして末梢神経が外部から圧迫されると、末梢神経はダメージを受けたりして、正常な働きができなくなります。そんな状態の末梢神経が「異常事態発生!大変だ!」と叫んでいる悲鳴がしびれの正体だったのです。
では、しびれが起きるメカニズムをみてみましょう。末梢神経とは、とても細くて弱い電線のようなもので、その1本1 本にはそれぞれに一つの刺激(痛みや温度などの情報)が電気信号として伝えられ、これが何本も束ねられた状態になっています。 正常な時にはこの末梢神経の中を伝わる電気信号は外へ漏れることはありません。しかしダメージを受けてしまった場合には、そこから電気信号が漏れて他の末梢神経に流れてしまいます。電線が破れて漏電を起こした状態といえばよいでしょう。これによって、末梢神経には異常な電気信号が発生し、それがジ~ン、ピリピリといった感覚のしびれとして感じられているのです。
しびれと末梢神経の関係、おわかりいただけましたか?
しびれの陰には、末梢神経の異常があるかもしれないことをどうぞお忘れなく。