不自然な格好で寝たことなどによって、首の周辺の筋肉が無理に引き伸ばされたり、椎間関節に過剰な圧力がかかったりすると、急性の炎症がおきて首や肩に強い痛みが生じます。
寝違えを防ぐためには、寝ている間も首の骨のカーブを支えられるような高さの枕を選び、高すぎる枕や柔らかすぎる敷布を使わないようにすることが大切です。また、エアコンの冷気などで肩や首を冷やさないように注意しましょう。
長年肩を酷使して、肩関節周囲の腱や筋肉などに炎症がおきた状態です。強い痛みがあり、腕をあげたり、後ろに回したりする動作ができにくくなります。
痛みが強い時期は、安静にして激しい運動などは控えましょう。多くは特別な治療無しに改善しますが痛みが長く続くことも多いため、血行をよくするために肩を温めたり、薬物療法や体操を行ったりします。
背骨のクッションである椎間板に、外部から急激な力が加わると亀裂が入ることがあります。すると、椎間板内の軟骨が飛び出して末梢神経を圧迫し、痛みやしびれが生じる病気が椎間板ヘルニアです。
一方、首の骨が変形し、炎症を起こしたり末梢神経が刺激されて痛みが生じるのが頚部脊椎症です。痛みやしびれ、手足が動かしづらいなどの症状があれば、早めに専門医に診てもらいましょう。
ハードなスポーツや、長時間の運転、パソコン、デスクワークなど同じ姿勢での作業で首や肩の筋肉を酷使すると、炎症が起きることがあります。
このような場合も寝違えタイプ同様、寝ている間も首の骨のカーブを支えられるような高さの枕を選び、高すぎる枕や柔らかすぎる敷布を使わないようにすることが大切です。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤を使用したり、冷シップを貼るのも良いでしょう。
原因によって、薬物療法、体操などいろいろな対処法がありますので、一度専門医に相談して原因をよく調べてみましょう。
監修
名古屋大学医学部卒業後、大学病院等勤務等を経て、平成29年春、愛知県犬山市に全国初のせぼね(脊椎)に特化した「あいちせぼね病院」を開業。地域医療への貢献と国際学術界における技術研究を続け、より安全で温かみのある医療・福祉の提供を目指している。
まとめ
内臓疾患が原因で肩が痛むこともあります。これといって思い当たる原因がないのに、痛みが続いたり、肩の痛み以外にも不快な症状があったりする時は要注意です。
また次のような場合は、かかりつけの医師や薬局・薬店・ドラッグストアの薬剤師に相談してみましょう。
(1)激しい痛みや、手のしびれ、発熱をともなう
(2)痛みがだんだんひどくなる
(3)せきやくしゃみをすると痛みが悪化する
(4)尿がでにくい
(5)手先を使う作業がやりにくくなる
Copyright © Eisai Co., Ltd. All Rights Reserved.